Harold Arlen / Harold Sings Arlen
旦那芸ということについて考える。
その究極は、
落語の「寝床」に出てくるような
浄瑠璃が好きなんだけど下手でしょうがない大家さんとか、
そういう人たちのことだろう。
本人快感200%ぐらいの歌や芸事のことだ。
もちろん、聴かされる身としては「寝床」に出てくる店子たちよろしく、
ちょっとたまらないという場合もあるんだけど、
どうもぼくは旦那さんの肩を持ってしまう人間のようで。
ハロルド・アーレンは20世紀を代表する大作曲家で、
この人の歌が「旦那芸」だなんて口が裂けても言えない……、いや、
言ってもいいでしょう!
NRBQもカヴァーした「アクセンチュエート・ザ・ポジティヴ」の、
ハロルド・アーレン版をいつも心に刻んで生きたいと思うのです。
最後に「寝床」で、
大家の浄瑠璃に苦しめられた店子のひとりは、
志ん生の落語だと、確か、ドイツまで逃げちゃう。
そんなにひどい歌なんだ。
最高だね。(松永)