Lee Dorsey / Night People

Hi-Fi-Record2006-07-31

一昨日、昨日とテリー・アダムス&スティーヴ・ファーガソン・カルテット
フィーチャリング・トム・アルドリーノ・ウィズ・ピート・トイゴのライヴを見ていた。


ちなみに、スティーヴ・ファーガソンNRBQのオリジナル・メンバーだったが、
1970年にバンドを去っている。
その後も、気まぐれに復帰してすぐに脱退したり、共演したり。
今回、ようやく旧友でありNRBQのリーダーであるテリー・アダムスとの
本格的な邂逅とあいなったのだ。


印象的だったカヴァー曲のひとつが、
ティーヴが歌った「There Should Be A Book」という曲。


ニューオリンズのファンキー・マスター、リー・ドーシーのレパートリーで、
当然、作詞作曲はアラン・トゥーサン


「Ya-Ya」とか「Working In The Coal Mine」のようなメジャーな曲ではない。
あまり知られていない曲だから、みんな「これ誰の曲?」と気になっている。
ちょっと不思議なコード展開とメロディを繰り返しながら盛り上がってゆく
楽しくて切ない曲だ。


この曲はNRBQの古いレパートリーだが、
古いといっても、スティーヴが在籍していた30数年前にはまだ歌っていなかったものだという。
「アル・アンダーソンがこの曲をずっと歌っていたよ。
俺はまだこの曲を知り始めたところなんだ」
ティーヴは言った。


アル・アンダーソンは彼が脱退してから代わりに加入した二代目ギタリストである。


自分がいなくなった時代に生まれたレパートリーを、
今、新しいものとして受け入れる。
未来と過去が入れ替わるちょっとしたタイム・パラドックスがとても素敵だ。


リー・ドーシーのアルバムで、今ハイファイにあるのはこの一枚。
結果的に彼の遺作となったアルバムだ。
「There Should Be A Book」は入ってないけど、
彼の声を久しぶりにちょっと聴いてみようと思う。(松永)


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