John Nazarenko ジョン・ナザレンコ / Nazjazz
ふと手に取ったレコードがとてもよかったものだから、アーチストの名前だけを手がかりに探してみたら、ご本人にたどり着くことができて。そして運良く彼の手元にあるレコードを買わせてもう。
そんな風にしてハイファイの店頭にたどり着いたアルバムやCDって、結構な数があります。
このミスター・ジョン・ナザレンコの一連のアルバムもそのひとつ。相棒の女性ジャッキーと組んで3枚の作品を残しています。
この3枚を並べて聞いてみるとわかってくるストーリーがあります。
ジョンはジャズ志向。ジャッキーはロック志向。お互いの志向を生かしながら制作した1枚目「Nazjazz 」。思いっきりジャッキーの意向に沿った内容となった2枚目「Callahan & Naz」。そしていまいちどジョンがのぞむジャズに回帰して、より深みをました音像が立ち現れてくる「Nazjazz : January ThawCallahan & Naz」。
1981年から1982年にかけて、息せき切って思いのたけをはき出したかの切迫感もいいし、なによりロックとジャズとを両手一杯にかかえ持ちながら、自身の表現を探して求めているジョンの姿に共感を感じます。
歌われている歌詞には、ロックの感性が込められています。サウンドにはジャズの歴史を歩いている者が紡ぐ響きが聞こえます。
ロックなジャズ。たぶんそこに、彼の音楽のリアリティがあるのでしょう。
時代が過ぎて、今はジョンは地元のカレッジでジャズを教える先生となりました。
近作を送ってもらいましたが、ピアノ・コンボをバックに楽な気分でスイングする4ビートジャズ・アルバムをプロデュースしていました。
とっても肩の力が抜けていました。
いつか近くの街に訪れることがあれば、昼飯でも一緒にと約束しています。(大江田)