The Ramsey Lewis Trio ラムゼイ・ルイス・トリオ / Hang On Ramsey!

Hi-Fi-Record2006-08-15

サーカスを見に行ったのは、もう20数年も前のこと。
象が曲芸をやったり、
球体の中をバイクが走り回ったりしていた。
すでにその頃から、サーカスという興行は、
エンターティンメントとしては相当に場末の存在だったように記憶する。
三井グリーンランドに連れていってもらい、
出来たばかりの回転コースターに乗ることの方が何倍もうれしかったはずだ。


だが、その日は何故かサーカスだった。
記憶がおぼろげだが、
八代市内の妙見八幡宮の敷地内にテントが張られていたと思う。


ただ、いくら何でも子供だったから、
サーカスの物悲しさなどはそれほど感じず、
純粋に芸を見ていたんじゃなかったか。
ポカンと口開けて「あー」とか言いながら。


サーカスの花形である空中ブランコも当然見たと思うのだが、
今、こうして字に書いてみても、その記憶がまったく不明だ。
テレビや映画、漫画でモチーフとして繰り返し使われているのを見ているうちに、
どれが本当の空中ブランコ鑑賞だったのかわからなくなってしまっているのかもしれない。


空中ブランコの魅力と言えば、
すーっと下に降りてゆくときのスピード感。
向こう側に飛び移るときのスリル。
成功したときの幸福感とゴージャスなファンファーレ。


なんだ。
上に書いた3つの要素はぼくの好きな音楽の持つ感覚と、結構ダブるではないか。
近いうちに、空中ブランコをもう一回、見たくなってきた。


それまではラムゼイ・ルイス・トリオのこのジャケットを眺めておくとする。(松永)


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