Cranberry Lake クランベリー・レイク / Lowdown Symphony
ここ数年、アコースティック・スイングと称して親しまれるようになった音楽。
70年代以降にフォークやブルーグラスや、そしてアコースティックなサウンドのフォーキーなジャズバンドなどが、やや古めのジャズを演奏しているものをさして、こう言うようになった。僕らの感性に近いカジュアルなジャズって感じ。それがとてもいい。
ルー・ロンドンとか、リオ・ニドとか、ジョン・ミラーとか、みんなそんな風。とても親しみやすい。
ところで、どうしてこういう音楽が、また70年代ぐらいから見られるようになったのだろうかって、ずっと考えていた。
すると気づいたことは、どのバンドにもアコースティックのギター奏者がいるということだ。いわゆる正統派のジャズは、ピアノトリオ+ワン・ホーンなどのスタイルが多い。ピアノが中心になっている。それにくらべて、アコースティック・スイングの場合は、アコギ奏者が中心になる。
60年代にブームとなったフォークを経験し、そこでアコースティック・ギター手にした世代が、ギター・ミュージックのルーツを追っていくと、まず出会うのがジャンゴ・ラインハルトやエディ・ラング。その時代、1920年代から30年代かけて活発に演奏されていたストリングバンド・スタイルのジャズを、若い世代が、今一度、新しいセンスでコピーすると、それがアコースティック・スイングになる。こんな風に考えてみると、すっと腑に落ちるように思う。
クランベリー・レイクの連中も、ジャグ・バンドとジャズを楽しげに演奏している。ルーツ・ミュージックのリフレッシュ。自由で若い感覚。それがボクにはとてもまぶしく感じられてならない。(大江田)