Duke Robillard デューク・ロビラード / Swing
お! タモリ!
ではありませんで、東海岸のブルース&ジャイヴなギタリスト、
デューク・ロビラードの小粋なスイング・アルバムなのだった。
しかし、タモリに似ているだけあって、
このアルバムではこの若年寄なギタリストはジャズをやっている。
ブルースを支点にして、横に4拍子で揺れている。
不得手な歌もその気になってうたう。それがまたよろしい。
タモリと言えば、ジャズ・マニアとして有名で、
故・植草甚一のレコード・コレクションを譲り受けたというウワサが知られている。
そのことと、このアルバムのジャケットの男が
タモリに似ているということは直接何の関係もないのだが、
このアルバムで、ブルース男が洒落のめしてジャズってる、
それはひょっとしてタモリのせい?
そういう当たらずとも遠からずな関係が腑に落ちるのも、レコード鑑賞の醍醐味。
そこに”鑑賞”という言葉の深みを感じる。
なんつって。
要はゴロンと横になりながら、
「おうおう、タモリもなかなか良かギターば弾きよるばい」なんて思ってるのも、
じゅうぶん”鑑賞”のうち。(松永)