Sunshine / Sunshine

Hi-Fi-Record2006-09-05

昨日は「月」の話だったので、今日は「太陽」を。
と言っても、ホントのお日様ではない話。
サンシャインの話である。


東京に来て、最初に住んだのは東池袋
見上げればサンシャイン60ビル。
これは比喩ではなくて本当の話で、歩いて一分ほどのアパートに3年住んでいた。


都市再開発の波を、東京で唯一残った都電がせき止めているかのように
ビルのふもとにはしなびた街並みがまだまだあって、
ぼくが住んだアパートも風呂、台所無し、電話共同というものだった。


ただし、電話は延長コードを利して、
部屋に引き込んでしまった。
家賃に電話代も含まれるという破格の条件で入居していたから、
ぼくの家賃はずいぶん安かったはずだ。
それくらい電話をしたということだ。


隣の部屋には同い年の大学生が住んでいて、
素直ないい人だったが、
毎朝、ジャンプしながら激しい体操をするのには困った。
あれはいったい何だったのだろう?
まあ、こっちは夜中まで大きな音でレコードを聴いてたんだからお互い様か。


結局、ぼくがそこを出るまで、お互いに苦情は一切言わなかった。


サンシャイン60のふもとには、
つけめんで有名な「大勝軒」の本店があり、よく並んで食べに行った。
昼の12時50分からの10分間、列待ちのサラリーマンが何人か離脱するので、
一瞬だけ列が縮むのである。
その10分を狙うというコツも、近所にいたからわかったようなものだ。


うーん。あの頃のことを思い出すと話が長くなりそうだ。
とにかく、ぼくが言いたいのは、かつてサンシャイン60のふもとには、
あまりサンシャインの当たらない煤けた町があり、
ぼくはそこに住んでいたという、あまりとりとめのない話なのだ。


というわけで、
今日の一枚は、サンシャインというグループの甘酸っぱいアルバム「サンシャイン」。
今の季節に聴くとハマりすぎて、泣けてきても知らないよ。(松永)


http://www.hi-fi.gr.jp