Sunshine / Sunshine
昨日は「月」の話だったので、今日は「太陽」を。
と言っても、ホントのお日様ではない話。
サンシャインの話である。
東京に来て、最初に住んだのは東池袋。
見上げればサンシャイン60ビル。
これは比喩ではなくて本当の話で、歩いて一分ほどのアパートに3年住んでいた。
都市再開発の波を、東京で唯一残った都電がせき止めているかのように
ビルのふもとにはしなびた街並みがまだまだあって、
ぼくが住んだアパートも風呂、台所無し、電話共同というものだった。
ただし、電話は延長コードを利して、
部屋に引き込んでしまった。
家賃に電話代も含まれるという破格の条件で入居していたから、
ぼくの家賃はずいぶん安かったはずだ。
それくらい電話をしたということだ。
隣の部屋には同い年の大学生が住んでいて、
素直ないい人だったが、
毎朝、ジャンプしながら激しい体操をするのには困った。
あれはいったい何だったのだろう?
まあ、こっちは夜中まで大きな音でレコードを聴いてたんだからお互い様か。
結局、ぼくがそこを出るまで、お互いに苦情は一切言わなかった。
サンシャイン60のふもとには、
つけめんで有名な「大勝軒」の本店があり、よく並んで食べに行った。
昼の12時50分からの10分間、列待ちのサラリーマンが何人か離脱するので、
一瞬だけ列が縮むのである。
その10分を狙うというコツも、近所にいたからわかったようなものだ。
うーん。あの頃のことを思い出すと話が長くなりそうだ。
とにかく、ぼくが言いたいのは、かつてサンシャイン60のふもとには、
あまりサンシャインの当たらない煤けた町があり、
ぼくはそこに住んでいたという、あまりとりとめのない話なのだ。
というわけで、
今日の一枚は、サンシャインというグループの甘酸っぱいアルバム「サンシャイン」。
今の季節に聴くとハマりすぎて、泣けてきても知らないよ。(松永)