NRBQ / Kick Me Hard
NRBQの話がしたいわけではなくて。
今月の21日(明後日)に「スパイナル・タップ」のDVDが
ようやく日本版として発売される。
80年代にVHSとして発売されて以来、日本では長年無視され続け、
熱狂的なファンの間でのみ語り継がれてきた伝説のバンド・ムーヴィー。
未発表場面などボーナス映像も、てんこ盛りになっている。
ご存じない方のために手短に紹介すると「スパイナル・タップ」とは、
1984年にアメリカで制作された架空のヘビーメタル・バンドを扱った擬似ドキュメンタリー映画である。
3人組のスーパー・グループ(のはず)のスパイナル・タップの歴史と
舞台裏の出来事、解散の危機などが実話形式で描かれている。
友人のアメリカ人パンクDJ、マイク・ロジャースはこう言った。
「スパイナル・タップ、あれはGood Bad Movie!」
彼らは実際に映画の中でも楽器を演奏し、歌もうたった。
サントラ盤も制作され、ハイファイにも仕入れたことがある。
2回仕入れて、2回とも即日で売れた。
アメリカのみならずヨーロッパでの人気も高く、
クイーンのフレディ・マーキュリー追悼コンサートに出演までしている。
不謹慎というか、気が利いてるというか。
ぼくの好きなエピソードは、楽屋で気合いを充填した3人がいざ舞台へ向かうのだが、
道に迷ってしまって、なかなか舞台に着かず、
舞台裏の狭い通路を延々うろうろするというもの。
あの場面が好きだとNRBQのトム・アルドリーノに言ったら、彼はこう答えた。
「あの映画に出てくるバカなエピソードの半分はNRBQにも当てはまるよ」
だから、今日のLPはNRBQにしよう。(松永)