Sandy Nelson サンディ・ネルソン / Drummin’ Up A Storm

Hi-Fi-Record2006-10-20

 昨日、来日中のブライアン・セッツァーのスタッフ氏が来店。同行の友人氏に言わせれば、とにかくレコード・ジャンキーで、これと思うと5時間くらいは店から出ないで見続けるそう。残念ながらハイファイにはお目当てのジャンルのレコードが無かったので、ひとしきりの雑談タイムとなった。


 アメリカのどこの街にいいレコード屋があるか、どの店の主人がCD嫌いなのか、なんて話をしているうちにふとしたはずみで、彼が少年時代に買ったドラマーのレコードの話になった。
 買ったよ、買った。サンディ・ネルソンのアルバム。今になってみると、なぜ買ったのか、よくわかんないんだけれどもね。「Let There Be Drums」だったな。知ってる?



 もちろんサンディ・ネルソンはハイファイでも扱っている。今は売り切れ中だけれども、「Let There Be Drums」だって、ちゃんと僕らの手を通って、店頭に並んだことがある。
 デビュー後に交通事故で片足を失った後も活動を継続、60年代後半の作品はどれもデイヴ・ペルのプロデュース、スタジオ・ミュージシャンの道を選ばなかったなど、興味深いストーリーが見いだせる人だ。なかでもピカイチにおもしろいのが、フィル・スペクターと同じ高校に通う友人だったという事実だろう。



 「テディ・ベアーズでドラムを叩いているのが、サンディ・ネルソンだってホント?」と彼に聴いてみた。「ホントだよ」と言う。「でもね、その後はたぶん一緒に仕事をしていないはずだ。なんせフィル・スペクターだからなあ」と言いながら、彼は笑っていた。こちらの目を見ながら「わかるだろ?」という顔をするので、ぼくも目で「もちろん」とうなずいた。



 サンデイ・ネルソンには、60年代からファンクラブがあった。ドラマーにファンクラブがあるなんて、珍しいと思う。
 ファンはどんなことを語り合っていたんだろうと思いながら、どこかしら聴き手を前のめりにする特有のビートを聴いている。(大江田)



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