Yank Lawson And Bob Haggart / The World’s Greatest Jazzband

Hi-Fi-Record2006-10-26

歌舞伎の世界では、かなりお歳を召した大物女形
小娘に扮してかわいらしい舞を踊ることがよくある。


そんなみっともない舞台なんぞ見ちゃいられないだろうと思ってしまいそうだが、
これがまたまたどうしてどうして。
老人が若作りするユーモラスさ、というものではなくて、
本当に愛らしいのである。
年齢を経た方が、演技が若くなる。
それを現実に目の当たりにしたのは一度や二度ではない。


ときどき、このたとえ話を音楽に置き換えてみたくなる。
そして、そういう音を無意識に探してみたりする。


たとえば、この連中。
トランペッターのヤンク・ローソンとベーシストのボブ・ハガート、
戦前のサッチモ楽団までキャリアをさかのぼることの出来るこのおじさんたちが
若い連中を向こうに回してモダンでヒップなジャズ・バンドを結成していた。


「Big Noise From Winnetka」はデキシーランド時代から
多くのジャズメンによって演奏されてきた曲だが、
このアルバムでの、全員60代近くのメンバーによるヴァージョンが
一番すごくてかっこいいと思う。
たぶん、これは、すごく理想に近い。
試聴Sample Aである。(松永)


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