Buzzy Linhart バジー・リンハート / Pussycats Can Go Far

Hi-Fi-Record2006-10-27

世に猫ジャケと言われるものは数あれど、
「自分が猫になりました」というものはあまり見たことがない。
ジー・リンハートは、そういう愛嬌が許される人物だったのだろう。


ジョン・セバスチャンの「マジカル・コネクション」で
ヴィブラフォンを叩いているのが手練れのスタジオミュージシャンではなく
音楽仲間の彼であったという事実にも
何だかホッとさせるものがある。
東海岸の一流ジャズマンを起用してもよかっったはずなのにね。


だが、特別な説明など無くても、あのトロンとした音は、
友情というつながりを感じさせる音になっていると思う。


彼はニューヨークに住む若手のロック・ミュージシャンにとっての
一種の万能ミュージシャンだったのだろうが、
そんなたいそうな冠よりも
頼まれたら断れない気さくな便利屋という感じがよく似合う。


ふにゃっとした歌声もそんな感じである。


ベット・ミドラーが大ヒットさせた名曲「フレンズ」は
彼と親友マーク・”ムーギー”・クリングマンの共作。
このアルバムでも彼自身の声で歌っている。
よほど気に入っているのか、
これ以前のカーマ・スートラ盤にもこの曲を吹き込んでいるが、
両ヴァージョンに、大して違いがないのがまたおかしくて愛おしい。


それにしても、代表曲のタイトルからして、
彼の人柄そのものを現しているかのよう。


このアルバムではタイトル曲で
「マジカル・コネクション」ばりのヴィブラフォンも聴くことができる。


もひとつ。
猫に扮したイラストで、彼は髪の毛も実際より増量してます。
ま、そこんとこも許される人柄だったということで!(松永)


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