Anita Kerr Singers / Simon And Garfunkel Songbook

Hi-Fi-Record2006-11-18

 このところ急に冬めいてきた東京です。朝の冷え込みが、冬がすぐそこまで来ていることを伝えています。



 寒くなると思い出す曲。その一は、「Baby It's Cold Outside」。邦題だと「外は寒いよ」となります。
 コーラスと掛け合いをするカタチで、もう家に帰らなければいけない彼女が、「外は寒いわ」と彼に語りかける歌ですね。 ベティ・ギャレットとレッド・スケルトンが映画「水着の女王」の中で歌ったのがオリジナル・ヴァージョンで、50年代くらいまではカバーがありました。マーガレット・ホワイティングとかエラ・フィッシュジェラルドとか、女性の歌手によるものが多いです。最近の人がカバーしたというのを聞かないのは、「明日の朝まで語り合っていたいけれども、もう帰らないと。兄がドアの所まで迎えに来ているのよ」という、ちょっと今ではピンと来ない状況設定だからも知れません。



 次に思い出すのは、「冬の散歩道」。87年のバングルスのカバーもナカナカでした。原題の「Hazy Shade of Winter」をそのまま訳せば、冬の曇り空とか、憂鬱な冬の空模様って感じになるのですが、それを「冬の散歩道」としたあたり、うまい邦題だなあと思います。
 アニタ・カーのカバーもすごくいいですね。サイモン&ガーファンクルのソングブック・アルバムに収録されています。
 切迫感のあるリズムと、それに乗せたたたみかけるようなコーラスが、冬の寒さを思わせます。コンパクトに上手くまとめらた感じが、ポップスならではの楽しさです。



 寒さが厳しくなる時期に、暖かい気分になる曲を思い出すのではなく、どうも冬の寒さを強調する曲を思い出してしまいました。(大江田信)



Hi-Fi Record Store中古レコードのハイファイ・レコード・ストア