Flora Waipa &amp / Johnny Almeida

Hi-Fi-Record2006-11-22

 1940年代中期、ハワイはホノルルでレコード店を経営していたジョージ・チンが、アメリカ本土に帰る軍人達から記念品として音楽を持ち帰りたいという要請を受けて始めた 49th State Label。ミュージシャンの手配から演奏時のリーダーまでをジョン・カメアアロハ・アルメイダに依頼して、数多くのレコードを制作した。
 49th State というレーベル名にした理由は、ハワイがアメリカの49番目の州になることを願ってのこと。実際には49番目にアメリカの州として迎えられるのはアラスカとなったものの、ハワイがアメリカの一州となった1959年以降も、この名前でレコードのリリースが続けられた。



 当初はSP盤によるリリースで、最初のレコードは49番だった。時代が塩化ビニールのシングル盤になって、4549といった45が頭に着く番号に移行したのだろうと思われる。
 したがってこのシングル盤は、最初から数えて37枚目のリリース音源ということになるはずだ。



 49th Labelの音楽の特徴は、とっても素朴なこと。1950年代になってジェット機旅行の時代となると、ハワイは急速に観光地としての姿を整えることとなり、音楽も観光エンターテイメントのひとつとして積極的に用いられることとなる。49thの場合は、そうした種類の音楽とはひと味違って、ハワイの伝統的なフォークの味わいを残したものが多い。素肌の音楽。ハワイの人たちの間で伝わっていたのは、こういう音楽なのかなと想像させる響きでもある。



 特別な時間が流れている場所の音楽。そんな響きがある。(大江田信)


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