Greenbriar Boysグリーンブライア・ボーイズ/ Better Late Than Ever
ギター、マンドリン、バンジョー、フィドルなどのアコースティック楽器を用いた演奏に乗せて、古くからのレパートリーや自作曲を歌うブルーグラス。2ビートの高揚するスインギーなドライヴ感と、濃密なバンド・アンサンブルが特徴的だ。
1940年代から50年代にかけて、ビル・モンローやフラット&スクラッグスらによって完成したとされ、70年代に入ると同時代のロックを素材としたり、器楽演奏に大胆な工夫をこらしたりなどと、革新的なスタイルの模索が始まった。
ブルーグラスではワン・コーラスごとに、歌唱と演奏、これが交互に続いていく。演奏パートでは、バンジョーやフィドル、マンドリンなどが交代してソロを受け持つ。プレイヤーそれぞれに歌唱力と、楽器の演奏力が要求される。いわば歌唱と演奏が、半々づつのウエイトを持つ音楽だ。同じようなレパートリーを扱っているようでいて、このあたりがフォークやカントリーとちょっと音楽のニュアンスを違えている所だろう。
グリーン・ブライア・ボーイズは、アメリカ東海岸のマサチューセッツ州ボストンのフォーク・シーンから登場したグループ。60年代初頭から中期にかけて活躍した。ボストンのシーンの空気をそのまま引き受けるかのように、独特の新しさをたたえつつ、伝統的なスタイルを踏み外すことのない音楽を創造した。
なにしろポップ。リード・ボーカルのジョン・ヘラルドのボーカルがとても親しみやすい。ブルーグラスに耳馴染みが無くても、思わずウキウキしてしまうに違いない。(大江田信)