James Galway And Henry Mancini / In The Pink

Hi-Fi-Record2006-12-04

テレビの洋画劇場が、
最近の話題作やジブリ再放送ばかりでなく、
まだ往年の作品を名画、B級問わず放送していた頃、
最初にトラウマになったのは「ドクター・モローの島」。


そして、最初に好きになったのは
ピーター・セラーズ扮するクルーゾー警部大活躍の
ピンク・パンサー」シリーズだった。


小林信彦さんはスティーヴ・マーティンの近作を絶賛し、
かつてのセラーズの演技をけちょんけちょんに貶していたが、
細部がどうあろうと、ぼくにとっては
ファースト・カット・イズ・ディーペスト。
セラーズびいきは譲れそうもない。
だいたいビヨンセの出てくる「ピンク・パンサー」なんて
オースティン・パワーズ」から百万光年遅れてるじゃない。


セラーズ版クルーソー
とりわけぼくが好きだったのは部下の東洋人ケイトとやりあうシーン。
自室に戻ってきたクルーゾー。
ドアを開けると誰もいないのに殺気がする。
「ケイト?」
しーん。
「ケイト?」
………うわああああああ! と天井からケイトが襲いかかってくる。
そこからインチキな空手ばりのファイト、というパターン。


このパターンが数種類あるように記憶しているのだが、
よくよく考えてみるとセラーズ版の「ピンク・パンサー」は
没後に間に合わせで作られた作品を含めても全5作品。
たぶん、ヴァリエーションは多くても2、3種類しかないはず。


何故、そんなに記憶があるのだろうか?


その謎はすぐに解けた。
お正月恒例の「オールスター隠し芸大会」で
井上順扮するクルーゾーと加藤茶扮するケイトの戦いが
その記憶に横入りしていたからだ。


井上順、何故かテレビ的には最近出番があまりない感じ。
ときどき、あの味、欲しくなる。


クルーゾーとケイトの対決、とまではいかないが、
マンシーニとジェームス・ゴールウェイの対決盤を添えて
しまらないシメ。(松永良平


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