Al Hirt アル・ハート / The Sound Of Christmas

Hi-Fi-Record2006-12-12

 アメリカのどこの家でも用意するクリスマス・ツリー。イヴの夜には、おじいちゃんやおばあちゃんも勢揃いして、家族が持ち寄ったプレゼントが、ツリーの廻りに山積みに。その向こう、キラキラ光るツリーの奥から、こんなしゃがれ声の愉快なサンタ・オジサンが、あれ、また手に山ほどのプレゼントを持って現れちゃったゾォ、なんて感じの楽しさに溢れているアル・ハートのクリスマス・アルバムだ。



 なにしろアレンジがいい。
 「ママがサンタにキッスした」の曲中で、ママのキスの音色を模すクニュクニュっとしたトランペットの技巧がいい。
 多くの人が思わず引き込まれ、うなずいてしまうというか、その音色にはスターの響きがあって、それがなによりもいい。
 ピンと張りつめたトーンからは、輝かしいものが聞こえる気がする。ハッピーな気持ちを生み出すなにかが、こぼれ落ちてくる。
 もともとはニューオリンズ・タイプのジャズ・トランペット・プレイヤーが、より広いポピュラー音楽のフィールドで成功を得るに際しては、なるほど音楽そのものに様々な工夫が凝らされていたのだということを、改めて思わせるアルバムでもある。(大江田信)



http://www.hi-fi.gr.jp