The Supremes シュープリームス / Sings Rodgers And Hart
2007年の営業は店舗、サイトともに本日より開始です。
というわけで、ありていではありますが、
あけましておめでとうございます。
本年もハイファイ・レコード・ストアを
よろしくご愛顧お願い申し上げます。
では、新年ブログ一発目もわたくし、松永から。
ブロードウェイ・ミュージカルの歴史を扱った
ドキュメンタリーをテレビでやっていたのは去年のお正月だった。
あの国のショウビジネスがどれほど移り変わっても
いまだに揺るがないブロードウェイの魅力。
ゴージャス、スペクタクル、喝采、
そしてそれを支える、おそろしいほど実力主義のピラミッド。
昨今、作品の質が落ちたなどと言われつつも、
今もブロードウェイは輝いている。
1960年代、全米をヤングサウンドで席巻した
モータウンのアーティストたちが向かった頂点もそこにあった。
ロジャース&ハート作品集の名を借りて、
シュープリームスがブロードウェイの名曲を歌いまくったこのアルバムは、
その憧れを見事に証明している。
日本の伝統的なソウルミュージックの教えの中では
モータウンの連中が、こういうスタンダードなことをしでかしている作品は
一番聴いてはならん傾向のものだった。
かつては日本盤でソウルのアルバムの再発が出る際にも、
いの一番に外されていた。
だから長年、このアルバムの魅力をぼくは知らずにいた。
「歌わされてる」アルバムだと思っていた。
モータウンの功罪や実情については研究家たちにまかせたい。
ただぼくが思うのは、
今ならこういうアルバムが
一番、スタンダードソングの魅力をダイレクトに伝えてくれるということだ。
いい歌、いい声、いいアレンジ。
踊れて、笑いあえて、輝いている。
ブロードウェイ的なるものに反発していたつもりが、
ぼくたちはその音楽を逆に差別してたのかもしれない。
世間の評価は知らないが、
このアルバムに、ぼくは心から100点をあげる。(松永良平)