Malcolm Johnstone マルコム・ジョンストン / Origins

Hi-Fi-Record2007-02-17

 これ、ジャケガイです。
 ジャケ写が小さくて見にくいかもしれませんが、真っ白のジャケットに髪をポニーテールに束ねた後ろ向きの女性ヌードの線描が描かれてます。
 裏ジャケには古いガットギターを膝に置くマルコム君の白黒写真。セゴヴィア以来の古典的なスタイルで足を組んで、底にギターを乗せています。その振る舞いは、アメリカで絶大な人気を誇るクラシック系ギタリスト、ジョン・ウィリアムスなどよりもずっとずっと古い方法。なるほどなあと思いながら、曲目を見るとビックリしたことに、「テイク・ファイヴ」や「レディ・マドンナ」、「ライオンは寝ている」、「グリーン・スリーヴス」などを演奏しています。



 見慣れない曲目、例えば「Razzberry Schubert」や「A Minor Modus」などは、マルコム・ジョンストンのオリジナルでした。彼のオリジナルを挟み込むようにして、よく知られたポップなメロディが配されています。
 ただしそうした作品も、彼の手によって新たにギター用に編曲されています。その手法や奏法、音色のセンスは、クラシック・ギタリストのそれ。ただし気をてらったものではなくて、真っ正直なアレンジです。脅かしのような要素が無くて、心を静かに落ち着かせる方向に音楽が向いている気がします。



 ソロ演奏、いいジャケ、人柄出ている音色となると、大好きなレコード。
 アルバム一枚を何となく流していると、ハイファイの店内の空気が落ち着いていくようです。
 今日はそんな午後。(大江田信)



Hi-Fi Record Store