Leon Redbone レオン・レッドボーン / Mystery Man

Hi-Fi-Record2007-02-20

「あいつは不思議なやつだよ」
と周りから言われているひとが、
「オレってほんとはわかりやすいやつなのに」と
心の中で思っているケースは意外と多いという。


レオン・レッドボーン。
どこかひとを煙に巻いたような雰囲気のある御仁ではある。


オールドタイム・ジャズを肴に
長い間、変わることのないペースで
淡々と音楽活動を続ける彼にとって、
このライヴ盤はディスコグラフィーにも掲載されていない
ミステリーな一枚。


シンプルなドブロの弾き語りで、
曲の途中でくしゃみまでしてしまう。


彼はそれなりにオシャレ心を持ったひとだと思うので、
たぶん、これは“出されてしまった”一枚なのに違いない。


しかし、その分透けて見える“素”の顔が憎めない。
ミステリー・マンのくしゃみは
ぼくもあなたもするくしゃみと一緒のくしゃみだ。


そうそう。
彼の伝説の初来日は残念ながら不入りで、
ウソかマコトか
「オレのギャラ、負けてもいいよ」と言ったという説もある。


ミステリー・マン
実はなかなかいいやつなのかもしれないな。(松永良平


Hi-Fi Record Store