Al Kooper / You Never Know Who Your Friends Are

Hi-Fi-Record2007-02-26

先週の話。


若い外人さんがお店にやってきた。
バンドで来日していて、
ぶらぶら歩いていたらハイファイを見つけたのだそう。
ギターバンドをやってるけど、好きなのはニルソン。


ちょうどそのとき
アル・クーパーのこのアルバムをかけていた。


彼が「これ誰?」と訊いてきたので、
ジャケットを見せてあげた。
アル・クーパーだよ。あなたの国(アメリカ)では
 彼のソロ・アルバムは有名じゃないんだよね」


「うん。でも名前は知ってるよ。
 でも聴いたのは初めて。へえ。
 ぼくの好きなニルソンとかヴァン・ダイク・パークスみたいじゃん」


アル・クーパーコロムビア時代のソロ・アルバムは
ベスト盤を除いて、アメリカでは一枚もCD化されていない。


日本では伝説の名盤扱いされている「赤心の歌」も
その中に収録されている「ジョリー」も、
誰も知らない。


アル・クーパー自身も「赤心の歌」については、
あまり多くを語りたがらない。
売れなかったからではなくて、
あまりにプライベートな内容だからだという。


むしろ彼が高々と掲げるのはこのセカンド・アルバム。
クリエイターとして完全に満足が行った最初のアルバムで、
今もその評価を変えていない。


実は、ぼくはアルのその発言を思い出して、
久しぶりに聴いてみるかと、たまたまお店で流していたのだ。
ふんふんなかなかいいぞ、と思ったりしていた。
だから、ぼくと彼(外人バンドマン)はバッチリ意気投合。
そのあと、彼の地元のおいしいレコ屋情報も教わりました。


そして、B面4曲目で
ニルソンの「モーニング・グローリー・ストーリー」の
素敵なカヴァーが流れたとき、
ふたりとも「やった!」という顔をしたのだった。(松永良平


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