V.A. / A Prairie Home Companion Tourists

Hi-Fi-Record2007-03-07

 映画「今宵、フィッツジェラルド劇場で」が公開されている。
 早く観に行かなければ、終わっちゃうなあなどと思いながら、買付レコードが入っている段ボール箱をかたづけていたら、こういう時に限ってこんなレコードが目にはいる。



 映画の元ネタになっているラジオ番組「A Prairie Home Companion 」の公開番組の様子をまとめたアルバムだ。出演した音楽アーチストの生演奏を抜き出して編集してある。もちろんギャリソン・キーラーの語りも入っているし、聴衆のガハハと笑う声もふんだんに聴くことが出来る。
 クレジットされている収録場所を見ていると、西から東まで、アメリカの実にいろんな場所に出かけている。ミシガン州のとある高校の体育館で収録、なんてのもあって、なるほどフットワークの軽いラジオ番組らしいと感心することになる。



 クレズマー、ブルーグラス、ジャズ、フォークなどが、気取りのない姿で演奏され、そして聴衆が楽しみ、それがそのまま収録されている。
 つい一緒に歌いたくなる親しみやすさがあるというか、手作りの暖かさがあるというか、人が生きている姿の体温があるというか。開場を埋める観衆、ラジオを聴いている聴衆などのそれぞれを、人々という名のもとにつなぎ合わせていく力をもつ音楽。



 しばしのひとときをのんびりしながら、楽しんだ。
 ラジオの発信元は、ミネソタの州都セントポールミネアポリスセントポールは、ミシシッピー川越しにある大きな街で、ふたつをまとめてツイン・シティという。
 ミネソタの春。そろそろツイン・シティ界隈では、去年から積もっている根雪が、春の兆しを感じて溶け始めている頃なのだろうか。(大江田信)


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