Luiz Bonfa & Maria Toledo / Braziliana

Hi-Fi-Record2007-03-13

一番新しい「レコードコレクターズ」は
大滝詠一の「ナイアガラCMスペシャル」特集。
今回は、その他の作家によるCMソング・コンピ紹介まで
手を伸ばしている。


CMソングのコンピレーションには弱くて、
新種のものに出くわすとついつい買ってしまう。


CMソングの不思議さは、
昔、あれほどしょっちゅう耳にしていたはずのサウンドが、
実際に今聴いてみたらこんなに凝ったものだったのかという
驚きを必ずともなうところ。


とりわけ60年代から70年代のCMソングに豊かなのは
リズムのセンス。
マンボやボサノヴァといったニューリズムも
積極的に採り入れられた。


ぼくの田舎で少年時代によく流れていたCMに
「ところてんスイスイ」という商品があった。
文字通りのところてんなのだが、
CMのイメージは何となく南洋。
うろ覚えだが、ビキニにフラガール風の衣装をした美女が
船の上でところてんを食べている映像ではなかったか。


そして、そのCMソングは
美しい男女スキャットがいざなうボサノヴァだった。
これはうろ覚えではない。


「スイスイ、シャバダバッダバ〜」というリフレインを
たぶん何百回も聴いたはずだ。


東京に出てきてから、
あるとき、レコード屋で「ところてんスイスイ」のCMソングを聴いた!


だが、よくよく聴いたら、似てるけど違う曲。
それがこのボサノヴァ夫婦の名作アルバムのA面一曲目
「ホイッスル・サンバ」だったのだ。


CMソング探究の奥の細道に、
まだまだこういう曲はいくつも眠っているのだろう。
ああ、「ところてんスイスイ」もう一回聴いてみたい。
あれは絶対、和製ソフトロックのコンピにもいけるよ!(松永良平


Hi-Fi Record Store