Louis Armstrong ルイ・アームストロング / And His Friends

Hi-Fi-Record2007-03-19

黒猫を飼い始めたのは、かれこれ10年ほど前。
そのときに獣医さんに
「たぶん、3歳くらいだね」と言われたから、
今、13歳くらいか。


人間年齢にすると結構な老猫の部類に入るのだが、
相変わらずギャアギャアと走り回っている。
さすがにジャンプ力がちょっと落ちたのと、
お風呂の暖かいお湯を好んで飲むようになったあたりが、
なんとなくおじいちゃんという気がしないでもない。


サッチモことルイ・アームストロング
1971年に亡くなった。
彼が生まれたのは1901年。
20世紀のジャズを作った巨人にふさわしい生年だと思うが、
亡くなったのはちょっと早かったと思う。


この遺作には、
豪華なゲストに囲まれた華やかな生前葬のような趣がある。
ひょっとして、もうレコーディング中に
何らかの予兆が皆にはあったのかもしれない。


本人にも何となくわかっていたのだろうか。
このアルバムでサッチモ
「ブラック・キャット・ハズ・ナイン・ライヴス」
という曲をうたっている。


「黒猫は命を9個持っている」というのは西洋のことわざ。
もちろん、ここで言う“ブラック・キャット”とは
サッチモ本人のこと。
“キャット”とは“ジャズマン”を意味するスラングでもある。
おれはまだまだしぶといぞという宣言をしてみせたのだ。


その何個目かの命が効いたのか、
21世紀に入って、このアルバムの人気はよみがえった。


我が家の黒猫がうちにやって来たときは、
心臓に持病があって、長生きできそうもなかった痩せ猫だった。
ほんとのところ、
いったいおまえは命をいくつ持っているのかね?(松永良平


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