The New Lost City Ramblers / Rural Delivery No.1
このタイトルは田舎における郵便物の配送のこと。一定の場所に届く郵便を、それぞれ受取人が取りに来るという配達場所のことで、つまりここより先には配達の配達の車はいかない訳です。それほどの田舎だということを、暗に示している言葉と理解していいと思います。この方法、場所によってはつい20世紀になっても残っていたそうで、1920年代から40年にかけてのオールド・タイム・ストリング・バンドを再現してリヴァイヴァル・フォーク期に人気を博した彼ららしいタイトルというわけです。
そのニュー・ロスト・シティ・ランブラーズですが、一度だけ来日コンサートが開かれたことがありました。
フォーク・ファンが満員の盛況でした。そういえば高田渡さんや、なぎらけんいちさんの顔もあったように記憶します。
コンサートが一通り終わって拍手をしているときに、主催者の麻田浩さんから、「アンコールに何を聴きたい？」と問いかけられ、間髪を入れずに「Gold Watch And Chain」と答えました。
観衆の拍手に答えて再びステージに登場した彼らが演奏したのは、なんとその「Gold Watch And Chain」でした。このアルバム「Rural Delivery No.1」に収録されている作品です。オリジナルはカーター・ファミリーです。繰り返し繰り返し聴いていて、もう歌詞も覚えてしまっていたので、とても感激したことを覚えています。（大江田信）
