Paul Jabara ポール・ジャバラ / Keeping Time
アンドレ・プレヴィンの奥さんだったドリー・プレヴィンは
かなりの才女で70年代に入ると(つまり離婚後)
自分でもソロ・アルバムをリリースし始める。
その中に「We're Children Of Concidence And Harpo Marx」という
タイトルのアルバムがある。
日本語にすると「わたしたちは偶然とハーポ・マルクスの子供たち」。
このタイトル、大好きだ。
この言い方を真似てぼくも何か言おうと思う。
たとえば、
「ぼくたちはシャッフル・ビートと手拍子の子供たち」
というのはどうか。
それは単におまえの趣味だろと言われればそうかもしれないが、
ハイファイのお客さんで、
シンガーソングライターやノーザンソウルが好きで、みたいな方なら
「図星だ」と同意していただけるかもしれない。
ぼくの場合、その頂点は
マーサ&ザ・ヴァンデラスの「ジミー・マック」。
ジャズっぽい4ビートも悪くないけど、
もう少し腰が浮くぐらいの跳ねがあった方がジャストだ。
ポール・ジャバラはディスコ系、
それも割とみずっぽい路線で成功するひとだが、
このアルバムのころは、まだ青さがあって親しめる。
もちろんこうして採り上げるからには、
ここにも「トラップド・イン・ア・サブウェイ」という
極上のシャッフル・ナンバーが入っている。
シャッフル・ビート縛りでDJとかしてみたら
とても楽しいだろう。
この曲は、3曲目くらいにかけて、
トッド・ラングレンの
「ベイビー・レッツ・スイング」につなげようと思う。(松永良平)