Olomana オロマナ / Olomana

Hi-Fi-Record2007-04-07

 エコロジカルな暮らしが肩肘張らず自然に続けられている場所として、ハワイを見る。それがこのところのハワイへの視線の注がれ方だ。ハワイの古くからの様々な流儀に、周囲が少しずつ深い理解を持ち始めている。


 その契機は、古く70年代のハワイアン・ルネッサンスにある。ハワイに暮らす人たち自身が、自分たちのアイデンティティに目を向けて、そしてそれを誇らしく振る舞うようになった。ハワイ語復権、伝統的なハワイアン・ミュージックの復興、フラの再興なども、この時期から始まっている。


 オロマナはややアメリカのメインランドのロックの影響下にあるとはいえ、彼らもまたハワイアン・ルネッサンスの文脈から登場してきたアーチスト達だ。
 言い換えれば、カラパナが好き、CSNYもいいと思うし、ギャビイ・パヒヌイもなんだかグッと来るというハワイの若者にとっては、ごく自然に共感を寄せることができた音楽だったのではないかと思う。多くのフツーのハワイの若者たちにとって、彼らの姿はごく自然に写ったのだろう思うのだ。



 3枚のアルバムを重ねるうちに、すこしづつハワイの伝統音楽に近づいていった彼ら。このファーストは、アメリカのロックやポップスに親しんだ耳に、親しげに聞こえるハワイアンだ。そしてセカンド、サードと彼らの音楽につきあってみると、目前には大きくたおやかなハワイの音楽伝統の入り口が見えてくるだろうとも思う。
 ちょっとハワイアンに興味を持ち始めた耳に、ジャスト・フィットのリラクシン・ミュージック。
 ジャケットの感じも、とてもいい。(大江田信)


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