Ricci Martin リッキー・マーティン / Beached

Hi-Fi-Record2007-04-14

 このアルバムについては、ハイファイ・レコード・ストアのサイトに書かれている通り。「A-1「Stop Look Around」! 青春の甘い残り香が思いっきり胸を焦がします」。これ以上、付け加えることはないような気がする。その通りのレコード。


 コメントにそっと添えられているように「Beach Boysとの共演ツアーの日程を記したプロモシート」が付いている。この日程が強行軍というか、10日間強で中西部からカナダのトロントに行って、それから東海岸に戻ってきて、最後はニューヨークというもの。例えばインディアナポリスからルイヴィル、そしてエドワーズヴィル、デモインと、ここまで間に休日を挟むことなく、移動している。こういった中都市の間には、直行便の飛行機なんて無いから、恐らくバスの移動。ライヴをやって、その日はモーテルに泊まって、翌朝からまた移動。そんな毎日を繰り返していたのだろう。何をして遊んでいたのだろう。
 大判のアメリカ地図に、移動の街々をピンで留めその間を線を書き込んだら、おもしろいツアー・マップができあがる。



 Dino Desi & BillyのDinoの弟でDean Martinの次男。おぼっちゃんだったんだろうなあと思う。名だたるハリウッドのセレブリティの息子なのだ。
 おぼっちゃんのレコードって、その実、根っこのところで気のいいほんわかとした人の良さが伝わって、やさしい雰囲気がある。もちろん苦労をしてきた人の人生を見通すような目に裏付けられたアルバムもいいけれども、こんなのどかな春の夕暮れには、リッキー・マーティンの声が似合う。
 カリフォルニアの海を背景に、リッキーはヨット・パーカーを着て、ちょっとまぶしそうにこちらを見ている。
 足元は写っていないけれども、裸足にデッキシューズかスリッポンでも履いているんだろうか。



 B面の最後まで来てしまった。またレコードをA面に戻して、A-1の「Stop Look Around」を聴くことにしよう。(大江田)
 


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