Skiff Skats スキッフ・スカッツ / Skiff Skats Stuff
酒場から生まれてきた音楽って、良いなあと思う。古くブルースやウエスタン・スイングや、そうそうジャズだって、かつてはそういう音楽だったのだろうけれども、スタジオに入って録音される段になると、なんだか酒臭さが抜けちゃう。品が良くなっちゃう。
高田渡さんのアルバムに入っていた「3分の2、減りました」ってセリフ、あれは多分ウイスキーか何かかが横に置いてあったんだろう、このコメントの後にイイ感じでほろ酔いの演奏が始まる。あれは、たまらない。
スキッフ・スカッツの演奏からは、酒の匂いがしてくる。イイ感じにだらしない。それでいてイイ感じにしゃんとしている。
チャック・ベリーの「メイベリン」が、スキッフルでジャグ・バンドなヴァージョンに見事に変身していたりと、雑食で猥雑な楽しさがイッパイだ。
聴いていて音楽に酔っぱらいそう。
いやいや、グラス片手に、もう片手には楽器を持って一緒に歌いながら聴いたら、凄く楽しいに違いない。
一曲終わるたびに、乾杯をしたくなる。
「パンクな心をジャグバンド魂に移しかえて、めいっぱい楽しんでいたんだと思います」というコメントに、大賛成。執筆者にも乾杯!を捧げます。(大江田信)