Even Dozen Jug Band / Even Dozen Jug Band

Hi-Fi-Record2007-04-21

 今日は横浜でジャグバンド・フェスティヴァルが開かれている、とお客様に教えていただく。そういえば、そうだった。静岡から、そして大阪からも友人達のバンドがやって来ているというのに、今年もいけなかった。



 イーヴン・ダズン・ジャグバンドの唯一のアルバムがこれ。
 イーズン・ダズンって、ちょうと1ダースってこと。メンバーは全員で12人だ。
 レコーディングに際してもらったギャラで、全員のユニフォームを揃えたそうで、確かに男性陣は全員がベストを着ている。


 彼らのレコード・リリースに刺激されたヴァンガードの社長、メーナード・ソロモンがボストンを訪れて、ジム・クエスキンにジャグ・バンドのアルバム制作を持ちかけたというのは、よく知られた話。
 イーヴン・ダズン・ジャグバンドをリリースしたのは、エレクトラエレクトラヴァンガードは、ともに起こりつつあるニューヨーク界隈の音楽ムーヴメントを、レコードの溝にドキュメントしていたインディーズ・レーベル。エレクトラの社長、ジャック・ホルツマンの動向を、ヴァンガードのメーナード・ソロモンがライバル心いっぱいで注視していたことが、さもありなんと思いつつも、やっぱりおもしろい。



 渋くて巧いジム・クエスキンのジャグバンドに比べ、イーヴン・ダズン・ジャグバンドは、若さがイッパイ、エネルギーがイッパイという感じ。マリア・マルダー、ステファン・グロスマン、スティーヴ・カッツなどなど、後々に名を成す才能あふれる若者が、こんなことしてんだって、ちょっと驚きつつも楽しむことが出来る作品だ。
 オリジナル・アルバムのこのジャケが良くて良くて。
 このところ全く入手困難になってしまった一枚。(大江田信)


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