Baja Marimba Band バハ・マリンバ・バンド/ For Animals Only
こないだテレビを点けたら、
北海道の旭山動物園を舞台にしたドラマをやっていた。
旭山動物園の成功物語は
いろんなメディアで採り上げられている。
実際、映像を見ていると、
展示のひとつひとつに工夫がこらされていて、
遠くても行ってみたくなる価値があると
思わせる魅力がある。
動物園と言えば、
4年前にタイに行ったときのことも思い出す。
楽器を演奏する象がいると聞いて、
バンコクから車で2時間ほどかけて馳せ参じたのだ。
象が演奏するのは太鼓とハーモニカ。
そのあと、自分で客席に鼻を伸ばして
チップを受け取って回った。
メロディのようなものと
リズムのようなもの。
それはまったく音楽ではなかったが、
楽しい音だった。
音楽が芸術的もしくは進歩的な“音楽”として
自分から離れて上等なものになろうとしすぎる。
そんな真面目くさったシーンに出会ったら、
象の奏でる“楽音”を
心の中で再生してみるのもいいかもしれない。
バハ・マリンバ・バンドの、このアルバム。
動物に聴かせるための鳴き声とかは入ってなくて、
タイトルでこじつけた名曲集なんだけど、
“楽音”的基準で言うところの
自然な楽しさは十分にクリアしている。(松永良平)