The Coffee Set コーヒー・セット / If We Could Choose

Hi-Fi-Record2007-05-17

 ハイファイのサイトではこのアルバムの米盤が発売されていたことに触れているが、彼らのアルバムには日本盤もある。そして80年代の終わりには、ベスト選曲のCDもリリースされている。
 アナログのリリースの際にも、CDのリリースの際にもコーヒー・セットの名前が用いられた。イギリスのグループなのに、コーヒー・セットと名付けるのは、ちょっと不思議だと思ったのを記憶している。そういえば1969年に「マ・ベラミ」のヒットを放ったティー・セットというグループもあった。オランダ出身のグループだった。


 コーヒー・セットのコーラスは、格別に難しいことをやっているわけではないのだけれども、スムースで気持ちが良い。英語歌詞の発音のリズムがとてもよくコントロールされていて、それでいて人間的なふっくらとした味わいがある。レイ・コニフ・シンガーズほどには器楽的な扱いではなく、またパーシー・フェイス・オーケストラのシンガーズ・アルバムほどソロ・シンギングのクセが残っていない。



 日本盤、日本盤CD、アメリカ盤、そしてこのイギリス盤と各種を聞いてみると、イギリス盤の音質が最もクリアーな気がするし、オーディオ的な精度の高いレコードではないかと思う。
 よく聞くとそれほど大編成のオーケストラをバックにしているわけでないと分かるのだが、音質の輝きが加わるためか、よくよく聞かないとそこにまで思いが至らない。豪華な響きがこぼれてくる。
 ピカイチのコーラス・アルバムだ。(大江田信)



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