Footloose フートルース / Call In Well
ずっと昔からこういうレコードが好きだった。
ギター、マンドリン、ベースといったブルーグラスの楽器に加えてフルート、スプーン、ハーモニカを演奏している。
アコースティックのなんでも楽団風に楽器が取りそろえられている。
ブルーグラスぽかったり、オールドタイムぽかったり、ジャズをレパートリーにしていたりする。ぼくはそこが大好きなのだが、いったい何をやりたいのだろうと言われてしまいがちなタイプのグループかも知れない。
ある程度に楽器が弾きこなせるようになると、いろんなジャンルの音楽が耳に入ってくるし、いろんなジャンルの音楽を演奏したくなってしまう。
彼らはそれが許される場所にいた。都会ッ子がフォークを演奏するときの、それは大事な特権だと思う。そんな遊び心にとっても共感するのだ。
もともとをたどってみればブルーグラスもオールドタイムも、根っこではつながっている音楽だ。そしてアコースティックなジャズは、ブルーグラスのすぐ近くにあった音楽でもある。そうしたことを自由にとらまえて表現できるようになるのは、やっぱり80年代に入ってからの自主制作的なレコードの強みだろう。
ジャンルから少しずつ自由なレパートリーだということ。それらが分かちがたく結びついていること。そして全体として自前の音楽になっていること。
彼らの音楽を好きな理由だ。(大江田)