Carole King キャロル・キング / Tapestry
キャロル・キングの「つづれおり」が
特別なアルバムなのだと知ったのは
いつ頃だっただろうか?
たぶん、中学生の頃、
ラジオの深夜放送で洋楽のチャート番組を聴いていたときに、
レコード屋さんのCMでこのアルバムが
紹介されていたのだと思う。
「イッツ・トゥー・レイト」が流れていた。
やがてこのアルバムのジャケットを雑誌で見た。
男4人兄弟で“姉”というものを知らなかったぼくは
猫とジャケットにおさまった彼女に
母性ならぬ“姉性”を感じた。
そのとき、ぼくの妄想したキャロル・キングは
親に隠れてタバコを吸いながら、
「ちょっとアンタ、ここに座んなさい」と
弟であるぼくを諭すような女性であった。
きっとジョークもうまいだろう。
絶妙に毒舌も交えながら。
そういう想像上のキャロル・キング像を
みんなで出し合ってかたちにしたら楽しいだろうね。
きっとたぶん事実よりも。(松永良平)