Mister Rogers ミスター・ロジャース / Won’t You Be My Neighbor?
「ぼくはどんどんミスター・ロジャースが好きになってる」
NRBQのドラマー、トム・アルドリーノはそう言った。
ミスター・ロジャースといっても
日本人にはちょっとなじみがない。
1968年から2001年まで
自ら企画制作し、自作の曲を子供たちのために歌うという
箱庭的な教育番組をつくりつづけたロジャース。
レコードも何枚も出ているのだが、
アメリカ人にも、まともに彼の音楽を
評価しようとしたひとはいない。
しかし、これが素晴らしいのだ。
「セサミ・ストリート」的なアッパーさではなく、
どこかトロンとしていて、
優しくて切なくてジャジイな声とサウンドで
「ぼくの近所においでよ」と彼は歌い続けた。
その無償の優しさにほだされて、
夜中にひとりで聴いたら泣いてしまうかもしれない。
そんなことを
トムはいつも雑談の中で教えてくれる。
それをどうしても記録に残したくて
ハイファイのウェブマガジンでの連載
「20世紀に連れてって」でトムにインタビューした。
今週、そのインタビューが単行本にまとまって発売される。
タイトルは「20世紀グレーテスト・ヒッツ」に
ヴァージョン・アップ。
ハイファイでお買上のお客様には
そのトムとの音楽雑談そのものを
おまけ原稿にしてお付けします。(松永良平)