The Norman Luboff Choir / The Latin Luboff

Hi-Fi-Record2007-06-02

 クアイア・コーラスというと必ず名前が挙がるのが、レイ・チャールス・シンガーズとノーマン・ルボフ・クアイア。


 レイ・チャールスは、ペリー・コモ・ショーの音楽監督を永らくつとめていた。その傍ら自らの名を冠したシンガーズを組織しており、音源や映像も多く残っている。そんなことから、もしかするとクアイア・コーラスは、テレビ・ショーと連動して組織されたのかもしれないと想像したのだが。エドサリヴァン・シンガーズなんて、エドサリヴァンのテレビ・ショーに登場するコーラス隊のアルバムもあったし。
 

 ノーマン・ルボフは、40年代にはラジオのオーケストラで仕事をしていた作編曲家でシンガー。1950年代に入って映画音楽の仕事を手がけたのち、70年代にかけて数多くのコーラス・アルバムを作った。1961年には、グラミー賞ベスト・コーラス・パフォーマンスを受賞している。制作したアルバムの総数は、なんと70枚余を数えるという。
 彼はアルバム制作と同時に、国内を数多くツアーして廻っている。レコードとツアー、これが活動の主体だった。
 ちなみに50年代の末に発表され、カリプソのスタンダードのように扱われることもある「イエロー・バード」は、ノーマン・ルボフらの共作によるもの。
 これはそんな彼の感度の良さが写し込まれているラテン・アルバムだ。
 


 なおノーマン・ルボフとレイ・チャールスのふたりはシカゴの学生時代からの友人同士。プロとして音楽を仕事としてからも、ふたりの友情は続いた。
 その縁からレイ・チャールス・シンガーズのアルバム「Take Me Along !」には、ノーマン・ルボフとレイ・チャールスの息子、娘たちによる作品が収録されている。さすがに子供たちの世代ゆえに絶妙にソフト・ロックしていて、親子世代間のトレンドの相違の妙というか、なんとも面白い味わいがする。(大江田信)


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