Alec Templeton / Music Box And Chiming Clocks
ピアニストで作曲家のアレック・テンプルトンは
高名なオルゴール・コレクターでもあったという。
このレコードは、その彼のコレクションを集めて
RCAヴィクターのスタジオで鳴らしたもの。
というわけで、
彼自身はここでは演奏していない。
ネジを巻いて、
リスナーと一緒に愛器の調べに耳を傾けるのが彼の役目。
A面冒頭に収められているのは、
彼がオルゴールのネジを巻く音である。
その音に込められた思いが
機械に命を吹き込む。
本当は、
このジャケットを大きく見てもらえたらいいのに。
オルゴールを見つめる
アレックさんの顔のニヤケ具合にはウソがない。
たぶん、
大好きなレコードを手にとったとき、
誰でもこういう顔をしているのではないかと思わされるのだ。(松永良平)