Gladys Knight And The Pips / Silk N’ Soul

Hi-Fi-Record2007-06-15

こないだの買付のとき、
ちょうど「アメリカン・アイドル」シーズン6のフィナーレをやっていた。


ご存じのない方のために説明すると
この番組は現在全米最高の視聴率と話題を呼んでいる
タレント発掘&育成番組。


全国から数万人のオーディションから選ばれた歌手の卵たちが
たったひとりの優勝を目指して
厳しい予選を勝ち抜いてゆくというもの。


毎週、火曜日に審査が行われ
翌水曜日に(この番組、週2日放送なのだ)その発表が行われる。
投票するのは視聴者の権利で
審査委員はコメントは述べるが投票の権利はない。


いわゆる“リアリティ・ショー”と一線を画しているのは
歌の審査が非常に真剣で
審査委員のコメントも辛辣極まりないこと。
そして何よりも
過去の番組から全米を背負って立つ大スター
ケリー・クラークソンキャリー・アンダーウッドが生まれていることだ。


シーズン・フィナーレは当然、優勝者が決まる回とあって、
3時間に及ぶスペシャル番組が組まれた。
今夜、雌雄を決する2人の候補や、
これまでに敗退したトップ・コンテンダーたちが
ゲストのスターたちと歌の饗宴を繰り広げ、
来るべき優勝者の発表までをとことんまで盛り上げる。


この放送のとき、
ちょうどぼくたちはその日のハードな買付を終え、
モーテルに着いたところだった。


荷物を一通りほどいたら、
近所のスーパーまで今夜の食事を買い出しに行かなくちゃならない。
疲れが深くならないうちに重たい体を動かすのは
買付時の鉄則だ。


ちょうど山場を迎えつつあった
アメリカン・アイドル」シーズン・フィナーレの
スペシャル・ステージに後ろ髪を引かれながら
ぼくらは部屋を出ようとした。


その瞬間、スペシャル・ゲストとして
グラディス・ナイトが現れた。


驚いたのはその引き締まったルックス。
髪は短めに揃えているが、
その体型、歌声は60年代や70年代の彼女と
何ら遜色がない。


本当に驚いた。
だから、今回の買付にはグラディス・ナイト&ザ・ピップスが
いつもよりちょっと多めに入ったかもしれない。(松永良平


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