Ashwin Batish アシュウィン・バティシュ / Sitar Power

Hi-Fi-Record2007-06-17

昨日、九段下のギャラリー册へ行ってきた。
そこでキュレーターをやっている友人Yさんが「夜のサロン」という企画を毎月やっている。


今回のゲストは、雑誌TOKION JAPAN編集に携わったり、イラストを描かれたり、クリエイティヴナウなどのイベントを立ち上げたりと、ユースカルチャーを牽引してきた西村大助さんだった。


TOKION」。それは「ブルータス」などのファッション誌と違って、アナーキーな匂いのするカルチャー誌。企画がカウンター・カルチャーな感じのものが多く、そこが好きだった。昨年、資本が変わり内容が大分おとなしい方向に向かったそうだ。なにはともあれ"面白いこと"を優先してきた西村氏。板尾創路楳図かずおドクター中松、あと一人忘れたけど、その4人対談てw。素晴らしい優先順位と感性。NASAの技術をもってしても侵入できないというドクター中松邸のセキュリティシステムの神秘の話に、吹いた後に泣きそうになった。


中でも、最近のECOについての話が興味深かった。今の若い世代と、年配の方の「エコロジー」という言葉に対する解釈、感覚に大きな隔たりがある。この隔たりを如何にして埋めて…という話。西村氏がおっしゃるように、若い世代の考える「エコ」は、健康的にも思想的にもスタイリッシュで格好良いもの。年配の世代の方に言わせるなら、ただ一言、我慢である。


音楽でも同じようなことが言えると思う。本日紹介の「Ashwin Batish / Sitar Power 」。若い世代にとってはスタイリッシュでカッコイイ・・・年配の世代の方にとっては我慢・・・いや、果たしてそうだろうか? 逆転してもいいのでは? 年配の世代の方にとって、まさに涅槃とよびたい至高の音楽。若い世代にとっては、むず痒く辛抱たまらん音楽。どっちにしろアシュウィン・バティシュの場合、老いも若きも”スタイリッシュ”は無理がある気がする。「なんだこりゃ!」ローテクなシタール・テクノ。とってもユニークな音楽だ。


世代を越えて愛される、とまでは言わないけど、世代と世代を結びつけるような面白いものを作る、ボクシングでいうと3階級制覇とか…違うか、えーと、なにかとなにかをリンクさせる、それをみんなに理解・認識してもらうということは、アシュウィン・バティシュの音楽のような過剰なエネルギーが必要だ。西村氏はそんなエネルギーに充ち満ちていた。西村氏のフリーペーパー「Someone's Garden」。命名ジム・オルークだとか。「どうしようか?」と西村氏が尋ねたところ「たぁにん、の、にわっ」と日本語で答えたという。これは要チェックかも! (藤瀬俊)


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