Ashwin Batish アシュウィン・バティシュ / Sitar Power
2日続けてアシュウィン・バティシュのことを書いてもいいですか?
返事は待たずにさっさと話を進めよう。
アシュウィンが当時やろうとしていた電化シタールには
それなりに深い意味がある。
いわゆるエレクトリック・シタールは
60年代半ばにエレキギターの一種として発明され、
スタジオ・ギタリストのヴィンセント・ベルがモニターを務めた。
しかし、それはシタールのような音はするけれども
形状、ならびに精神においては
たぶんに様相を違えたものになっているのだ。
というわけでアシュウィンは
インド人のアイデンティティを賭けて
リアルなシタールにコンセントをくっつけてみた。
「やった! うれしい!」
そのうれしさが、そのまま音に出ている。
A面一曲目の「ニュー・デリー・ヴァイス」は
80年代当時一世を風靡していた刑事ドラマ
「マイアミ・ヴァイス」にひっかけたもの。
開始から約1分半ほどして、
サビと思われるメロディのあとに出てくる
サブ・ブリッジみたいな部分が大好きだ。
何故なら、そのメロディは
昔好きだったテレビ番組
「お笑いマンガ道場」に限りなく似ているような気がするからだ。
川島なお美が出ていた番組として
ときどき採り上げられることがあるが、
個人的には彼女の前に出演していた
元祖外人アイドル、エバのファンだった。
だから、アシュウィンのシタールを聴くと、
次はゴールデン・ハーフが聴きたくなる。(松永良平)