Del McCoury The Dixie Pals デル・マッカリー / High On A Mountian
ついこのあいだケーブルテレビで放送されているイギリスの音楽番組、ジュールズ・ホランドが司会を務めるBBCの「Later With Jools Holland」を見ていたら、なんとデル・マッカリー・バンドとスティーヴ・アールが一緒に登場してビックリ。当日のゲストにはヒップ・ホップのギャング・スター、再活動を始めたプリテンダーズ、スエーデンのキュートなバンド、カーディガンズ、フロリダ出身のカントリー系バンド、マーヴェリックスと何とは無しに騒がしい中で、つつましくさらっとブルーグラスを演奏した。
ブルーグラスでは、マイクを一本しか立てない。これが伝統だ。
そのマイクを周囲のメンバー達がうまく取り囲みながら、イントロを演奏し、ソロ・ボーカルを取り、ハーモニーを響かせ、そしてソロ演奏する。
パートがチェンジする際に、メンバーがお互いの動きをちゃんと判っていて、ぶつからないように場所を移動し、楽器を動かす。まるで歌舞伎の立ち回りを見ているようだ。
これがブルーグラスのライヴを見るときの醍醐味だ。
ほんの１曲の演奏しか見られなかったけれども、見事なまでの身のこなし、そして見事な演奏に舌を巻いた。
もともと伝統に則したブルーグラスが身上の人でもある。伝統の強みに触れた気がした数分だった。（大江田信）
