Johnny Guarnieri ジョニー・ガルニエリ / Sings And Plays
阿久悠さんの追悼番組を見ていたら、
西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」が流れた。
もしもピアノが弾けたなら、
自分だったらどういう風に弾くか?
ビル・エヴァンスみたいに知的に浮遊するか
ハービー・ハンコックみたいにかっこつけるか
それとも速弾きに走るか
ブギウギに走るか
ひょっとして
セシル・テイラーみたいに鍵盤を叩き割るように
プレイしているかもしれない。
そんな
妄想の中の
もしもピアノが弾けたなら選手権で
必ず筆頭の部類に入って来るのが
このジョニー・ガルニエリ。
ちょっとした奇想小説でも書きそうな名前の通り、
端正でコロコロとしたプレイの奥底に
妖しい茶目っ気がのぞく。
きれいな音楽や
息が詰まる緊張した音楽を聴き続けたあとに
張りつめてしまった頭の中を
軽く揺さぶってくれるような
節度の利いたユーモアがじわりとしみる。
ユーモアの語源が
ヒューモア→ヒューマン(人間)であることを
思い出させるような
さりげないのに稀有な存在のピアニストだ。(松永良平)