Herman Clebanoff/Country Music For People Who Don’t LikeCountry

Hi-Fi-Record2007-08-18

 カントリー嫌いのためのカントリー音楽集。
 なんて愉快なタイトルなのだろう。あけすけで気取りのないアメリカ人らしい発想。
 そしてちょっと思うのは、アメリカ人にもカントリー嫌いって、けっこう多くいたりするのかもしれないということだ。



 若きアコースティック・カントリー・スイング・チーム、ホット・クラブ・オブ・カウタウンにインタビューした時に、カントリーには、悪いカントリーといいカントリーがあるんだという趣旨のことを彼らが言っていた、と松永君に聞いた。
 その気持ちがわかる気がして、思わず溜飲を下げた。



 いいカントリ−とはどういうものかを知るには、片岡義男さんのカントリー・ミュージックに関して書かれた文章が、なにより参考になる。
 各界のカントリー・ファンによるエッセイ集「カントリー&ウエスタン大好き」(東京書籍刊)収録の片岡さんによるエッセイを読んで、ぼくは目が見開かれた気持ちになった。カントリー音楽とは、言葉を用いて思いをうたう歌なのだということが、具体的なテキストをもってはっきりと示されていたからだ。



 クレバノフ・ストリングスの演奏は、このトリッキーなタイトルに見合うもの。
 でも、ちょっとした軽いジョークですから。カントリー・ファンの方、お怒りになりませんように。(大江田信)



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