The Ray Charles Singers / Take Me Along !
ノーマン・ルボフのことを書いたときに、軽くこのアルバムについて触れた。
レイ・チャールスとノーマン・ルボフは、学生時代のシカゴで同窓にして親友。時を経て音楽の世界に入ってからも交流が続き、二人の子供達が10代となってバンドを組むと、あろうことか息子達バンドの楽曲をこのアルバムに収録しているのである。そんな話を書いた。
その曲は「Quiz Me」という。ハイファイ・レコード・ストアの本アルバムを紹介する項目で、[Sample B]をクリックして試聴いただける。
同曲にはM. CharlesとP. Luboffとクレジットされている。
彼らの子供達の名前、というワケである。
まっ、親バカですね。親バカ。
しかし、なんというか、この曲がいい曲なのだ。オッと心に引っかかる。
レイ・チャールス・シンガーズの演奏なのに、まるでニュー・クリスティ・ミンストレルスのアルバム「New Kick!」収録の一曲のように聞こえる。
ミドル・シックスティーズのフォーク・ロック。それもちょっとビターでダークな味のする小粋な曲。
イントロと間奏には、ミュート・トランペットが登場している。
親のひとりであるミスター・レイチャールスは、飛行機に乗り込むタラップに機長の帽子を被って、こちらを向いてにこやかに笑っている。(大江田 信)