V.A. / Folksingers Of Washington Square

Hi-Fi-Record2007-09-22

 ワシントン・スクエア・パークはニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにある小さな公園の名前。碁盤の目のように十字に組合わさっている通りの一角にあり、スクエアの名の通りほぼ四角い形をしている。もちろん今でも健在だ。犬が自由に首輪を外して飛び回ることができるスペースが囲ってあり、小さなこどもたちが親の手を離れて遊び回るための遊具が用意されていたりする。大都市のまんなかにあり、周囲の人々に愛されている暖かいコミュニティ・スペースだ。



 かつて60年代にはこの公園に集った若者たちがフォーク・ソングを歌っていたことでも、知られている。日曜日になるとそれとなく界隈の若者が集まって、セッションを繰り返していたという。
 その雰囲気を模して作られたのが、このアルバムだ。


 ローガン・イングリッシュ、サンディ・バルなど、後にソロアルバムを発表して活躍するアーチストの顔ぶれが並ぶが、なかでも要注目なのがブルース・ラングホーン。数々のフォーク・アルバムにギタリストとして参加したセッション・ミュージシャンだ。伝え聞くところによると事故かなにかで五指がそろっていないというが、そのためなのか、彼の美意識なのか、なにしろバリバリと弾きまくることが無い。しかしここぞという時に、するっと音を忍ばせる。
 フォーク界のジェームス・バートンといっていいのかどうか、彼が参加しているアルバムは、どれも要注意とフォーク・ファンは心している。(大江田 信)



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