Peter Ivers ピーター・アイヴァース / Nirvana Peter
東京に出てきた1987年。
ピーター・アイヴァースのハートに矢が刺さった
衝撃的なジャケットのアルバム
「ターミナル・ラヴ」は、
すでにその頃から、よく知られたレア盤だった。
バイトを始めたディスクユニオンで
バイトの先輩に
「ある音楽雑誌に記事が出て、
このアルバムは急に有名になった」
と聞いた。
若いうちは
レア盤と聞けば生唾が湧いてくる。
しばらくして西新宿で
結構な金額を払って「ターミナル・ラヴ」を買った。
そして、
そのついでにと比較的安価で売っていたこのアルバム
「ニルヴァーナ・ピーター」も買ったのだ。
トム・ヴァーレインとチップマンクスの合いの子のような声には
ギョッとしたものだ。
その後、
学生生活にはつきものである金欠の病にかかり、
「ターミナル・ラヴ」は人手にわたった。
ぼくは「ニルヴァーナ・ピーター」の方を残したのだった。
それはひとえにA面の2曲目の
「ミラキュラス・ウィークエンド」という曲に尽きる。
この曲だけは
いつまでも聴いていたいと思ったのだ。
と、言いながら、
結局、その後の社会人時代に離職を経験し、
そのときにこのアルバムも泣く泣く手放してしまった。
だから、
なんとなくハイファイでは
このレコードは切らさずに置いておきたいのだ。
結構レアになってきていて、
売り切れさせないのはなかなか難しくなってはきているけれども。（松永良平）
