Steve Miller スティーヴ・ミラー / Born 2 B Blue

Hi-Fi-Record2007-10-29

彼岸と此岸という言葉がある。


たとえば
日本とアメリカ。


アメリカでは根強い人気を誇っているのに
日本ではさっぱりというレコードは
少なくない。


スティーヴ・ミラー・バンド
結構、そういうバンドの代表格かもしれない。


「フライ・ライク・アン・イーグル」は
フリーソウルの世界で一時期持てはやされたことがあったが、
中古盤人気は長続きはしなかった。


ボズ・スキャッグス
ベン・シドランなど
有能な顔ぶれが関わっていたという事実も、
なかなか彼の評価に奏功しない。


「ジョーカー」みたいな
とぼけたセンスのヒット曲はイイ味出しているんだがなあ。


それでもハイファイで仕入れたくなる
彼の唯一のLPがこれ。


ベン・シドランのプロデュースで
ジャズをやっている。
ジャズと言っても
80年代のスムース・ジャズ。


このスムース・ジャズというジャンルが
また日本のジャズ・ファンには受けが悪い。
しかし、
ジャジイなAORと思って聴けば、
実は大いに腑に落ちるのだ。


一曲目が
ディズニーでおなじみ
「Zip A Dee Doo Dah」。


このスムース・ジャズなヴァージョン、
大の大人が無くしたものを探しているような
甘くて苦い味わいがある。


そのとぼけ具合は
ティーヴ・ミラーの中ではブレていない。(松永良平


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