Arne Fogel and Friends / You Call It Madness
アルバムを作ったんだけれども、それがね、時代はもうほとんどCDになりかけの頃だったから、結局、ずいぶんと余らせてしまったんだ。
それがまだ家の地下室に置いてあるよ。譲ってあげるよ。
そんなやり取りをしたのが、何年前のことだったろう。
じゃあ譲ってくださいねということになって、百数十枚を送ってもらった。
改めてストックの数を数えてみて、びっくり。ハイファイの在庫は、ほんの数枚になってしまっていた。
100人以上もの方にお買いあげをいただいたことになる。
こののち彼は、2001年に念願の(?)CD「Wrap Your Troublrs In Dreams 」を発表した。
そちらもハイファイで扱わせてもらった。小粋なジャズ・アルバムだ。気取りが無くて、気楽に楽しめる。
アーニーには悪いけれども、でもやっぱりこのレコードの方が、ずっとこなれていて、味わいが深くていいなあと思う。
考えてみればアーニー・フォーゲルは、ハイファイの隠れた大スターだ。
渋谷のとある店で、100枚余が売れたということは、日本全国の販売網があったら、数万枚に相当するのかもしれない。
でも現実は、そうはならない。
そろそろ、アーニーにまたメールを書かなければ。
あのとき買わせてもらったアルバムが、そろそろ売り切れですよと。
まだストックを持ってますかとも聞いてみたいけれども、たぶんもう無いだろうなあ。
たしか、地下室のありったけを譲ってもらったような気がするのだ。(大江田信)