Cowboy Jazz カウボーイ・ジャズ / Swing Boogie

Hi-Fi-Record2007-12-04

 カウボーイ・ジャズは、1980年代初頭に東部メリーランド州から登場した都会派ウェスタン・スイング・バンドだ。


 ウエスタン・スイングは、1930年代から40年代頃に、中西部から南部にかけて流行した音楽で、カントリーとジャズを掛け合わせたようなサウンドに特徴がある。
 そもそも大箱のダンス・ミュージックで、週末の娯楽エンターテイメントだった。さあ、一丁、皆で踊りに行くか、といったノリの音楽だったのだ。
 ダンス・ホールでの生演奏を主とし、そのほかラジオでも随分と演奏された。


 カウボーイ・ジャズのような若い東部の人にウエスタン・スイングが伝わるのは、70年代に入ってSPやラジオのトランスクリプション音源が、LPとして頒布されるようになってからだ。
 ブルースやフォークは60年代に若い世代に随分とコピーされたが、ウエスタン・スイングがコピーされたというのは、聴いたことがない。
 リヴァイヴァル・ウェスタン・スイング・バンドの代表格、アスリープ・アット・ザ・ホイールが活動を始めたのは、1970年のことだった。


 カウボーイ・ジャズが面白いのは、ウエスタン・スイング・マナーの作品を、自ら自作していることだ。
 このセカンド・アルバムでは、8割近くがメンバーの作品。古いスタイルを借りて、自らの歌をうたう。
 オリジナル世代から見たら、息子や孫の世代の、しかも遠く離れた東部の若者が演じるウエスタン・スイング。
 とてもイキイキと楽しげだ。(大江田 信)



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