Thumbs Carllile サムズ・カーライル / On His Own
なんだかんだ言って、みんな一度は念じたことがあるはず。
「時よ、止まれ！」
時が止まって何がしたいか具体的に考えると、やはりスケベなことばかりが頭に浮かぶ。透明人間になっても同じ事だろう（映画「インビジブル」ポール・ヴァーホーヴェン）。この思考に抗える男はいないでしょう。
中学生の頃、「時を止めた男」と一時言われたことがあった。
７，８人の友人グループで帰宅途中、ボケを放ち
３〜４秒、皆をフリーズさせたことを今でも覚えている。
肝心の何を言ったかは失念したけれど。
身近なそういった瞬間に意外と"時"というやつは止まっているのかもしれない。
あの感覚（ボケ）を磨いていたら、きっと今頃は！…
……ウィリィィッ！（ジョジョの奇妙な冒険・DUO）
"時が止まるような"という言葉がぴったりの
Thumbs Carllile（サムズ・カーライル）のバート・バカラック「Close To You」のカヴァー。
サムズ・カーライル（本名はケネス・レイ・カーライル）は50年代（おそらく後半）から活躍するナッシュビルのギタリスト。親指に"サム・ピック"を付けて弾くことが名前の由来。その音色はまるでスティールギターそっくり。角のまるいサウンドが心地良い。
70年代に自主盤に近いかたちでリリースされた「Close To You」を収録したアルバム「On His Own 」と「Guitar Wizard」は、メロウなアレンジが施されたギターもののインストゥルメンタルが好きな方にはうってつけの推薦盤。ちなみに後者はソウル名曲「Feel Like Makin' Love」（ユージン・マクダニエル）のカヴァーなど、メロウフュージョンの趣有り。
しかし、この「Close To You」。移ろいゆく時間を忘れさせる、こんな素敵に妄漠とした時の止め方ってあるかしら。
だらりんと思考停止させてくれます。独りで過ごすクリスマスにもぴったりかもしれませんw。（藤瀬俊）
