Anita Kerr アニタ・カー / Touch Love

Hi-Fi-Record2007-12-30

 50年代のデッカ、60年代前半のRCA、60年代の後期にはワーナーと所属のレコード会社を移り変わりながら、アニタ・カーの仕事は、コーラス・アンサンブルから、プロデュース、オーケストレーションと広がりを見せてきた。
 スイスに移住する前後、60年代後期に所属していたドットにおいては、様々な音楽的な試みを加えた作品を残している。



 そのひとつ。
 アニタ・カーがピアノを演奏した作品がこれだ。
 自信でプロデュースにあたり、プロデュース補にはご主人のアレックス・グローブがあたっている。
 


 軽快にスキップする作品や、ブラスが踊りストリングスが空を舞う作品もあるけれども、全体から受ける印象は、深く穏やかな安息に満ちたもの。ふと深呼吸をしたくなるような、静かで平穏な空気が漂っている。
 おそらくここに記された「Love」は、神からの恵みの愛を意味しているのだろう。彼女は、とても敬虔なクリスチャンで、そうしたゴスペル的な作品も残している。



 それはそれとして、ここで響いている音楽のたおやかさは、こうして年の暮れに針をのせるレコードにふさわしいもの。
 心のうちのなにかを、静かに肯定してくれる力に満ちている気がする。(大江田信)


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 ことし一年、Voices In Hi-Fi にお付き合いくださり、ありがとうございました。
 その日その日、店内にあるレコードをターンテーブルに乗せて、つれづれを書いてきました。
 ハイファイ・レコード・ストア同様に、新年も変わることなくおつきあいいただければ、大変にうれしく思います。

 新年は、ハイファイ・レコード・ストアの営業開始日、1月5日より再びブログをスタートしたします。

 皆様、どうぞよいお年をお迎えください。


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